怪談昇り竜

世間的にはシルバーウィークとやらで連休なんだそうだけど、日曜日以外は普通に仕事をしているlonehawk、です。

そんな貴重な休みだった日曜日は、色々と日本映画を観まくっていました。
まずは、１９７０年６月に日活より劇場公開された『怪談昇り竜』です。

石井輝男監督が梶芽衣子とホキ徳田を主演に据えて制作した作品ですが、コレまた海外でのみソフト化されているという状況で、「もしかすると、またドギツイ内容なのか？」と思いながらＤＶＤをセット。





関東立花一家の二代目である立花明美(梶芽衣子)は、子分衆を引き連れて剛田組に殴り込み。立花一家の背中には昇り竜の刺青が。
剛田を斬った明美でしたが、明美を止めに入ろうとした剛田の妹である藍子(ホキ徳田)の両目をも斬ってしまい、ソコに藍子が可愛がっていたクロネコが飛び掛り、藍子の血をペロペロ舐め回して怪談っぽさの序章っぽい雰囲気に。
ムショで毎晩クロネコに呪われ続けて３年が経過し、明美はようやく出所。

ブキミな山高帽の赤フン男(内田良平)と、立花一家の客分となる谷正一(佐藤允)とがひと悶着あり、
ムショで明美に惚れた女囚仲間も背中に竜の刺青を彫って子分衆に加わりますが、ソノ竜の刺青を狙っている何かがある様子。
コレもクロネコの呪いなのか？
さらには立花組に対立する土橋組の組長(安部徹)の元に盲目の手裏剣投げが上がり込んでおり、コレまた竜の刺青と何か関わりがありそうな気配がします。
しかし、本筋を食うインパクトで登場する暗黒舞踏の土方巽の強烈すぎる存在が、肝心の脚本などどうでもイイて感じさせちゃうんですよね(苦笑)。
で、何だかんだとクライマックスの明子と藍子の決闘に突入。

怪談とアングラと任侠のミクスチャーという力技で、最後まで強引に突っ走りましたよ。
正直なところ、かなり脚本自体は弱い気がするものの、ソレでも強烈な印象を観る側に植え付けられるのが輝男イズム・・・と言ってしまってイイのかな。

肝心の主役であるはずの梶芽衣子とホキ徳田の存在よりも、土方巽の姿と内田良平の赤フン姿の印象ばかりが残ってしまったのは作品としてＯＫなのか？なんて思ってもしまうのだけど(苦笑)。